青春とは
青春とは
人生のある期間をいうのではなく
心の様相をいうのだ・・・
これは私の父が若い頃から大好きだった
サミエル・ウルマンの詩の書き出しです。
バイタリティに溢れていた父は、
現役引退後も家でのんびりしていることなどなく
掛け持ちで英会話教室に通い、
アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなど
毎年のように2週間~4週間のホームステイに行っていました。
5年ほど前から中国語クラスにも通い始め、
早くも翌年には北京に1ヶ月ほど語学留学に行き
次は台北に行くんだなどと申しておりました。
英語も中国語もかなりの上達ぶりでしたので、
とにかく会話をしようと銀座や渋谷、秋葉原など
江戸の繁華街に一人でぶらっと出かけては
異国の方に声を掛けまくり、立ち話をしたり、
時にはお茶したりなどして楽しんでおりました。
「いやぁ、たのしかったなぁ。
今日は1時間半も話してきたよ」
などという日もしばしば。
まったくをもって
「おそれいりました」
というしかない父でした。
『 青春 』
青春とは
人生のある期間を言うのではなく
心の様相を言うのだ。
優れた創造力、逞しき意志、
炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、
安易を振り捨てる冒険心,
こう言う様相を青春と言うのだ。
年を重ねただけで人は老いない。
理想を失う時に初めて老いがくる。
歳月は皮膚のしわを増すが
情熱を失う時に精神はしぼむ。
苦悶や、狐疑、不安、恐怖、失望、
こう言うものこそ
恰も長年月の如く人を老いさせ、
精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。
年は七十であろうと十六であろうと、
その胸中に抱き得るものは何か。
曰く「驚異えの愛慕心」
空にひらめく星晨、
その輝きにも似たる事物や思想の対する欽迎、
事に處する剛毅な挑戦、
小児の如く求めて止まぬ探求心、
人生への歓喜と興味。
人は信念と共に若く
疑惑と共に老ゆる
人は自信と共に若く
恐怖と共に老ゆる
希望ある限り若く
失望と共に老い朽ちる
大地より、神より、人より、
美と喜悦、勇気と壮大、
偉力と霊感を受ける限り
人の若さは失われない。
これらの霊感が絶え、
悲歎の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、
皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至れば
この時にこそ人は全くに老いて
神の憐れみを乞う他はなくなる。
(マッカーサー版 サミエル・ウルマン作 岡田義夫訳)
そんな父も4年前に大病を患い、
三年半の闘病生活の末、
昨年7月22日に亡くなりました。
年明け早々に有り難くも本の出版のお話を頂い時は
父の命日である7月22日を出版日としてほしいと
お願いし、その通りにさせて頂きました。
それが、
『ニ代目になると、自分で決めて生まれてきました』(IMAJIN-BOOKS サンクチュアリ出版)です。
創業者の父と二代目の私。
跡継ぎの立場として生まれた自分自身の人生の、
さまざまな葛藤や軋轢などもありましたが、
こうして父の命日に本を出版させていただけて、
少しは親孝行ができたかなと有り難く思っております。